脾臓摘出(日帰り手術)
今回ご紹介させていただくのは、三重県からご来院の15歳の柴犬の女の子です。
かかりつけ医にて、お腹の中に5cm大のしこりがあるとのことで、おそらく脾臓だろうと言われたそうです。しかし、同時に高齢で心臓にも雑音があり、僧帽弁閉鎖不全症もあるため手術は難しいと言われて当院に相談に来院されました。
当院で再度診察をし、心臓の雑音はあるものの血液検査、レントゲン検査、超音波検査などで全身の状態を調べたところ、脾臓の腫瘤と心臓の弁のしまりが悪くて逆流が生じている以外は血液検査でも異常値が見られず、状態はわるくありませんでした。
幸い現状で貧血もなかったため、炭酸ガスレーザーと半導体レーザーによるシーリングを使用して、手術を行う事になりました。
術中は安定しており、出血もほとんどなく行えて、術後の回復も早かったため、その日のうちにお家に帰ることができました。
こちらが摘出した脾臓です。腫瘤がお腹の中ではじけて大出血を起こす前に摘出できなによりでした。
このように、高齢やリスクの高い子でもレーザーを用いることで手術可能になることがあります。
この子も15歳という高齢で持病もありましたが、無事手術を乗り越えてくれました。
飼い主様がお迎えにみえると、自分ですたすた歩いて帰っていきました。
術後の経過も順調で、次の日から食欲もあり元気です。無事に抜糸も終えて術後の血液検査の結果も貧血や臓器不全もありませんでしたので、飼い主様もとても安心されてました。これからは、お家で元気で長生きしてもらいたいです。
いつもとても治療もおとなしく、やさしいわんちゃんです。