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口腔内腫瘍(悪性黒色腫)(日帰り手術)

今回ご紹介させていただくのは、京都からお越しのラブラドールレトリバーの13才の男の子です。

数か月前に歯肉の色が一部黒くなり盛り上がっている事に気づかれたそうです。

かかりつけの病院で検査した所、悪性の腫瘍という事がわかり内服薬などで治療を続けていたそうですがだんだんと大きくなり顔が変形しはじめ、よだれや鼻水なども日に日に酷くなってしまったそうです。

また食べずらいのか、ご飯も途中でやめてしまう事があり体重も減ってきてしまったという事でした。

診察させていただくと、右側の頬が盛り上がっており、上の歯茎の右側あたりに真っ黒な腫瘍が大きくはびこってしまっていて、もうすでに腫瘍が壊死をおこし、腐ってしまっている状態でした。

    

悪性黒色腫は悪性度がとても高く、周辺の組織へ浸潤し早いスピードで増殖してしまいます。

また局所リンパ節や肺などに転移してしまう可能性もとても高いため、今回は切除できる範囲で上顎を削り大きく腫瘍を取り除き、同時に下顎リンパも切除する事になりました。

高齢であり食欲も低下していると言う事で体調も万全ではない状態での手術となりましたが、CO2レーザーを用いる事で出血を最小限に抑える事ができスピーディーにわんちゃんの負担を抑え手術する事ができました。

大手術でしたが今回も日帰りで行う事ができ、夕方には帰宅する事ができました。

飼い主様がお迎えにみえて、車に乗ったところです。顔のおおきな変化もそれほどみられず、まずまずです。

  

翌日からしっかりとご飯も食べる事ができたそうで飼い主様も安心された様子でした。

今後も慎重な経過観察が必要となりますが、少しでもお口の痛みや違和感がなくなりしっかりとご飯をたべて元気に生活していただければと思います。