肛門周囲腺腫(肛門周囲腺癌)・去勢手術・歯石取り(日帰り手術)
今回ご紹介させていただくのは、11才のミニチュアダックスフンドの男の子です。
肛門のすぐ下にぽこっとしたしこりができ、本人も気にして擦ってしまい出血を繰り返しているとご来院されました。
診察させていただくと、表面にでているのは1カ所だけでしたが、肛門周囲の中に大小合わせて3カ所ほど腫瘤ができてしまっていました。
一番大きなものは、炎症もあり表面がさけて出血をおこしていました。
肛門の周囲にできる腫瘍は未去勢の男の子に多くみられ、ホルモンに関係している可能性が考えられますので今回は同時に去勢手術も行いました。
また重度歯周病の為歯石取りも行いましたが、歯肉も後退し歯根部がダメージを受けている歯がありましたので抜歯を行い、必要に応じて歯肉を縫合する処置も同時に行わせていただきました。
高齢であり飼い主様も心配されていましたが、レーザーを用い出血を最小限に抑え手術時間も短時間で済み無事日帰りで手術する事ができました。
術後は食欲もしっかりとあり、順調です。
これからはお尻の違和感もなくなり、口臭も軽減され快適に生活していただけると思います。
病理検査の結果は、3カ所とも悪性の肛門周囲腺癌でした。病変の摘出は取り残しなく完全との事ですが、腰下リンパ節の転移などおこす場合があるので、注意が必要です。