MENU

膣線維腫・乳腺腫瘍・子宮卵巣摘出(日帰り手術)

今回ご紹介させていただくのは、12才の心臓に疾患をもっているチワワの女の子です。

排便・排尿障害でご来院されました。尿がまとまってだせず、ぽたぽたとしかでない。また何度も力んで便をだそうとするが、出せない。かかりつけでは、直腸腹側に腸を押し上げるような大きなしこりがあるので手術のできる病院へ行くよういわれたあま市よりご来院されました。

当院で検査を実施した所、子宮~膣から腫瘤病変が認められ、それが直腸や尿道を圧迫し塞いでいるようでした。それによって、便が出せずに大量に腸の中にたまってしまっている状態でした。

メス犬の膣や外陰部に発生する腫瘍の8割程度は良性ですがゆっくり増大するため今回のように異変が現れてから切除する場合困難な状態になっている事もあります。

外陰部を肛門の真下より大きく切開し会陰部を大きく開くことになりましたが、尿道や直腸を傷つけずCO2レーザーを使用することで大きな出血もなく無事に腫瘍を摘出できました。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

腫瘍は2キロちょっとの体重でなんと6cmもの巨大な大きさにまで増大しており、これにより直腸が圧迫され便がまったく出せない状態となっていました。

また乳腺にも腫瘤があり同時に切除を行い、再発予防や子宮の問題発生を抑えるために子宮、卵巣も同時に摘出しています。

翌日から排尿がスムーズになり排便症状も改善され、元気いっぱいです。

手術によりQOLがみるみる上がり飼い主様も喜んでくださり、ひと安心です。

腫瘍は大変大きかったですが病理検査の結果は膣線維腫という良性のもので、完全摘出できているとのことでした。また乳腺腫瘍の方も完全摘出できておりそちらも良性のものでした。