体表腫瘤切除(肥満細胞腫)歯石取り(日帰り手術)
今回ご紹介させていただくのは、9才のミックス犬の男の子です。
1年ほど前、膝のあたりにしこりがある事に気づかれたそうです。さらに半年後には反対の足の膝のあたりにまたしこりができてしまったそうです。
かかりつけの病院で内服薬などをもらい1年間様子を見ていたそうですがだんだんと大きくなり硬くなってきたと言う事で心配されご来院されました。
診察させていただくと、両後肢の膝あたりに2㎝ほどのぽこっとしたしこりができてしまっていました。
膝のしこりは、細胞診検査の結果、肥満細胞腫という腫瘍が疑われたため、今回両後肢の膝の腫瘤と、今回新たに見つかった胴体のしこり2カ所の計4カ所を同時に手術する事になりました。肥満細胞腫は腫瘍からマージンをしっかりとって切除しなければならない腫瘍です。特に四肢にできてしまった場合は、体幹部と違い皮膚に余裕がない為、大きくならないうちに早めに切除することとなりました。
今回の腫瘤もしっかりとマージンをとって大きく切除することとなりました。
また一緒にできるならと、歯石取りも同時に行う事になりました。
高齢であり飼い主様も心配されていましたが、レーザーを用いる事により出血を最小限に抑え腫れや痛みも軽減できましたので無事に日帰りで手術する事ができました。
歯石もきれいにとれ、口臭も軽減されました。
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術後は足の腫脹やひきつれもなくとても元気で、食欲もあり走ったりジャンプしたりといつもと変わらない様子で安静にできないとお困りの様子でした。
こちらが抜糸後の写真です。
とてもきれいに治りました。
これからも元気に長生きしていただければと思います。
病理検査の結果はやはり、肥満細胞腫でした。病変は完全切除できているとのことでしたが、犬の皮膚の肥満細胞腫は体のあちこちにできてくる場合もありますので、定期的な注意が必要となります。