体表腫瘤(扁平上皮癌)切除(日帰り手術)
今回ご紹介させていただくのは、14歳の柴犬の男の子です。
数か月ほど前に脇の下あたりにできものがある事に気づいたそうですが小さかったため様子をみていた所、ここ1ヶ月ほどで急に大きくなりさらに出血してきてしまったとの事でご来院されました。以前にも他の手術を当院でうけられ、日帰り手術を希望してこられました。
こちらがご来院時の写真です。
ちょうど脇の下あたりに、5㎝ほどのしこりができてしまっています。
本人も気になるようで、後肢でかいてしまっており、周りの皮膚も赤く炎症をおこしてしまっています。
また腫瘍も自壊して出血しており、表面は感染して膿がでていました。
高齢でありオーナー様も心配されていましたが、レーザーを用いて手術を行う事により出血を最小限に抑え短時間で手術を終える事ができました。
こちらが手術中の写真です。腫瘍ががっちりと固着していた為、大きく切除することとなりました。
腫瘍を摘出した際の写真ですが、御覧の通り出血もほとんどなくとてもクリーンに手術を行う事が出来ます。
術後の覚醒もスムーズで、夕方には自分の足でしっかりと歩き帰宅されました。
術後は食欲や元気もしっかりとあり、心配していた脇のひきつれもなく歩行もスムーズでオーナー様も驚いていました。
こちらが手術後の写真です。
傷口もほとんどわからないほど、キレイに治りました。
これからも元気に長生きしていただきたいと思います。
犬の扁平上皮癌は皮膚腫瘍の5%程度を占め、皮膚のあらゆる部位に発生します。
組織浸潤性が強く、遠隔転移率は低いため局所再発が問題となることが多い腫瘍です。
今回の切除手術では、脈管浸潤はなく完全切除という病理結果でした。ただ、腫瘍の性質上
今後も注意深い経過観察は必要となります。