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肝腫瘍(肝細胞癌)・胃内異物

今回ご紹介させていただくのは、14歳のゴールデンレトリバーの男の子です。

数日前より突然歩けなくなり横たわってしまっている、食欲がまったくなくなってしまったとのことでご来院されました。

またお腹がパンパンに腫れてきていると言う事でした。

当院に来られた時には、横たわってしまっており顔を持ち上げることもできないような状態でした。

検査させていただくと、肝臓に大きな腫瘍ができている事と、胃の中に異物があることがわかりました。

血液検査でも肝酵素の数値が1000オーバーとなっており、貧血や、白血球の増加もみられ、腫瘍もいつはじけてもおかしくないかなり危ない状態でした。

ごはんも食べれておらず、弱ってしまっていましたので、点滴で少しでも状態を改善させつつ緊急で手術を行いました。

開腹してみると、肝臓に大きな腫瘍ができており癒着をおこして一部はじけていました。

摘出した腫瘍の重さは約1㎏もあり、本来の体重が以前から5Kgほど減ってしまっている事がわかりました。

またお散歩の際に石を拾い食いしてしまうそうで、胃袋の中に5個大きな石がはいっていましたので同時に摘出しました。

とても時間のかかる大変な手術となりましたが、レーザーで出血や腫れ、痛みを最小限に抑え無事手術する事ができました。

術後かなりよわっていましたので、集中治療の為入院していただきました。

翌日、オーナー様が面会に来られた際には顔を持ち上げオーナー様の方へ体を動かすだけでした。また自分の足で歩けるようになるか心配されていましたが、数日後には食欲もしっかりあり自分で歩いて尻尾をふってくれています。心配していた肝臓の数値も2ケタにさがり、気分もよさそうです。

病理検査の結果は残念ながら、肝細胞癌でしたので、経過観察が必要となります。