直腸腫瘤(直腸腺癌)(日帰り手術)
今回ご紹介させていただくのは、10才20㎏の大きなビーグルの男の子です。
2年前から便に血が付く事があり他院にて検査した所、直腸にポリープがある事がわかったそうです。しかし手術は難しいとのことだったそうで食欲や元気もあったため様子をみていたそうですが、最近になって出血がひどくなり、便が一度にできらず、何度もすわりこむ、また何もしていなくても肛門から出血があったり元気食欲がない事もあると言う事でご来院されました。
検査でポリープが確認でき、そこからの出血でおしりを触られるととても痛そうにしていました。
麻酔をかけてみてみると、直腸の奥の方まで全体的に大きな腫瘍が増殖してしまって便の通りを塞ぐような形で全周に浸潤していました。その腫瘍はとてももろく、少し触れるだけで表面から出血してきてしまう状態でした。
今回は直腸pull-throughテクニックと言う方法で手術を行いました。
肛門から腸を引っ張り出し、腫瘍ができている部分の腸を輪切りに切除します。
レーザーで出血や腫れ、痛みを最小限に抑え日帰りで手術する事ができました。
帰宅後は、元気もあり普段とかわらないほどでオーナー様も安心されていました。
術後は便をするのもスムーズになり、出血も落ち着いているとのことで、おしりを触っても痛がらなくなりました。
病理検査の結果は残念ながら悪性の直腸腺癌でしがので今後も再発に注意してみていく必要があります。
診察もまったく嫌がらないとってもおとなしいビーグルちゃんです。