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停留睾丸による精巣腫瘍・眼瞼腫瘤

今回ご紹介させていただくのは、15才のミックス犬の男の子です。

足の付け根におおきなコブがあり歩きにくそうでびっこをひいている,食欲がないと言う事でご来院されました。

診察させていただいた結果、精巣が両側とも下に降りてきておらず鼠径部に残ってしまっており、その片側が腫瘤になってしまっている事がわかりました。

また眼瞼にもできものができてしまっており、そこを気にして眼をこすり傷をつけてしまっていました。

さらに歯肉にもポリープができており、今回3カ所同時に手術する事になりました。

こちらが手術前の写真です。全身が腫瘍のせいで足先から胸まで真っ赤に炎症を起こし、とても痛そうにしていました。

手術をしてみると、炎症や癒着がかなりひどく、出血している状態でした。

レーザーで出血や腫れ、痛みを最小限に抑え手術する事ができました。

こちらが摘出した精巣です。

腫瘍化してしまった方は正常な精巣の何倍にも大きくなってしまっています。

こちらが眼瞼腫瘤の写真です。

歯肉にできていたポリープも切除しました。

3カ所同時に行いましたが、翌日から食欲・元気ともに良好でオーナー様も安心された様子でした。今回は炎症がひどかったことと、遠方からのご来院であるため飼い主様のご希望により1泊入院となりました。

こちらが手術後4日目の写真です。腫瘍がとれたことにより、全身の炎症も落ち着き、歩行も軽やかになってきました。

 

病理検査の結果、悪性の腫瘍なため、今後経過観察が必要ですがこれからも病気に負けず元気に長生きしてもらいたいと思います。