ひだまり動物病院 名古屋市昭和区の動物病院 土曜祝日診療

今回ご紹介させていただくのは、12歳のミニチュアダックスフンドの男の子です。

1年ほど前より便が出しづらそうといった症状があり、

最近はさらに悪化して苦しそうに鳴きながらいきんでいるとの事で来院されました。

また便には時々血が混ざり、肛門の片側が膨れるとのことでした。

診察の結果、肛門右側に会陰ヘルニアをおこしているのが確認されました。

肛門すぐ奥には憩室と呼ばれる、腸の一部がポケットのように広がって空間ができ、そこに便が溜まっていました。

会陰ヘルニアは、去勢をしていない中高齢期のワンちゃんに多く見られ、

精巣ホルモンの影響で骨盤から肛門にかけてを構成する複数の筋肉が薄くなり、

その隙間から脂肪や腸・膀胱が脱出してしまい、結果、便や尿が出づらくなるといった病気です。

飼い主さまによくご説明させて頂き、会陰ヘルニアの整復手術と結腸固定、去勢手術を行うこととなりました。

また、重度の歯周病もあり、できるならば同時に歯石取りを希望されていました。

こちらが手術前の写真です。肛門の右側が大きく膨れているのがわかります。肛門の右側に便がたまってしまい、肛門の向きが左側を向いてしまっていました。

CO2レーザーを用いた手術により出血を最小限に抑えることができ、当日退院することができました。

術後２日目には食欲もしっかりあり、よく眠れているとの事でした。

まだ術後間もないので、これから傷の経過や排便の様子などをみていきたいと思いますが、今は順調に便も力むことなく出せているようです。

こちらが術後の写真です。

お尻の膨らみもなくなり、傷もとてもキレイです。歯石とり、抜歯を行ったことにより、長年わずらっていた口臭も軽減されました。

毎日をストレスなく楽しく過ごして頂きたいと願っています。