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直腸癌(日帰り手術)

今回ご紹介させていただくのは

13才の柴犬の男の子です

5年ほど前から便に血がつくようになり色々な病院へ行ったそうですが結局治らず、元気食欲もあったためこのまましばらく様子をみる事にしたそうです。

しかしその後も便に血がつく症状が続いていたため、1年半ほど前に内視鏡で検査をした結果、直腸に腫瘍がある事がわかり検査の結果直腸癌と診断されたそうです。

手術を提案されましたが、後遺症として肛門が閉まらず便が垂れ流しになってしまう事があると言う事で躊躇されていたそうです。

しかし1ヶ月ほど前から出血も酷くなり、小さなこぶし程の大きさの腫瘍が便をするたびに肛門から外へ出てくるようになってしまったそうです。

そのたびにオーナー様が長い事時間をかけて押して中に戻していたそうです。

手術をご検討され当院にご来院されましたが、その際に血液検査を行った所もうすでに貧血がひどく、かなり弱っている状態でした。

常に腫瘍から出血していたため、だんだんと貧血が進行していってしまったようで、当院で血液検査をした時には通常の値の半分ほどしかありませんでした。

腫瘍もものすごく大きくなっており、このままではだんだんと悪化するばかりですので手術をする事となりました。

こちらが腫瘍が肛門から飛び出してしまっている写真です。

かなりの大きさの腫瘍で、出血も酷い状態です。

今回は直腸pull-throughテクニックと言う方法で手術を行いました。

肛門から腸を引っ張り出し、腫瘍ができている部分の腸を輪切りに切除します。

こちらが切除した腫瘍です。

かなり腫瘍が大きく、わんちゃんの体調も万全ではありませんでしたがレーザーで出血を最小限におさえ、腫れや痛みも抑える事ができましたので日帰りで手術が可能でした。

オーナー様が大好きなわんちゃんで寝ている時も一緒にいる子だったそうなので、日帰りで帰れる事をオーナー様にも大変喜んでいただけました。

これだけ大きな腫瘍でしたのでわんちゃん自身も便をするたびに出血と痛みで、オーナー様も毎回腫瘍を中にもどすケアで精神的にも大変だった事と思いますが、今後はスムーズに便ができるようになりストレスもなくなる事と思います。

腫瘍を切除できたため出血もなくなり、手術後は少しずつ貧血の値も改善されてきています。

今後は再発も含め経過をみていく必要がありますが、少しでも快適に生活できるようにサポートして行きたいと思います。

名古屋市 動物病院

動物レーザーセンター