乳腺腫瘍切除手術(日帰り)
今回ご紹介させていただくのは、9歳のサイベリアンの10kgの女の子です。
最近になって、右側の乳腺にしこりがあることに気づき来院されました。
猫の場合の乳腺腫瘍はほとんどが悪性の癌であることが多く、発見次第できるだけ小さいうちに切除した方がいいとされています。今回来院時に血液検査やレントゲン検査を行い、麻酔がかけれる状態か、さらにはすでに遠隔転移していないかなどを速やかに検査しました。幸いこの子は現状で明らかな転移もなく、血液検査の結果もすこぶる良好であったため、すぐに手術を行うことになりました。一番の心配は重度の肥満の為麻酔のリスクはありました。
手術は炭酸ガスレーザーを使って行い、術中もほとんど出血なく速やかに行えたため、麻酔からの覚醒も速く、その日のうちにご自宅に帰ることができました。
このように、レーザー手術では、手術中に失われる血液も減らし、さらにレーザーのシール効果で術後の痛みや腫れも最小限にできます。
その後の経過も順調で次の日から食事も食べだし麻酔後の影響もなく傷口も良好でした。病理検査の結果は残念ながら乳腺癌でしたが、幸いなことにリンパ節に転移する前に手術で無事に取り残しなく摘出できました。
早期発見早期治療できたので、今後も再発や転移などが起こらないことを祈ります。