小腸腺癌
今回ご紹介させていただくのは、10歳の日本猫の女の子です。
数日前から何度も吐くようになり、食欲がなく水も飲めないという事でご来院されました。4.5㎏あった体重が3kgまでへってしまっていました。
骨ばって痩せてしまっており、お腹をさわってみるとしこり状のものがあり、腸に何かあるのがわかりました。
検査をさせていただくと腸内の一部がおおきく肥大しておりその先へ流れていないような様子でした。
このままではご飯も全く食べれずだんだんと弱っていってしまい手術のリスクも上がる為、点滴で体調を整えてから緊急手術を行いました。
開腹してみると、腸の一部に大きな腫瘍ができており、通り道を塞いでしまいそこから先に腸内容物が流れず、行き場をうしなって腸が今にもはちきれそうな状態になっていました。
病変のある腸の部分を切断し、吻合する手術を行いました。腸を切断しましたので、しばらく食事をたべる事ができないので入院して点滴治療が必要となりました。
中を見てみると、腸の内腔が腫瘍によって完全にふさがれてしまっていました。
術後は少しずつ食欲もでてきて、自分からごはんを食べるようになり便も毎日出せるようになり、オーナー様も安心された様子でした。
残念ながら病理検査の結果は、悪性の小腸腺癌でしたので今後も注意して経過観察を行っていく必要があります。
とても人懐っこく治療中もお利口さんな猫ちゃんです。
少しでも長く、痛みやストレスのない生活が続くことを願っています。