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横隔膜ヘルニア

横隔膜(おうかくまく)ヘルニアとは、

胸腔(きょうくう)と言う、心臓や肺がおさまっている胸部の空間と、腹腔(ふくくう)と言う肝臓、腎臓、胃、腸などの臓器がおさまっている腹部の空間を隔てている横隔膜が裂けて、腹部の臓器が胸部の方へ入り込んでしまう病気です。

交通事故や転落事故などが原因でおこる場合もあれば、生まれつき横隔膜が不完全な先天性のものもあります。

横隔膜ヘルニアの症状は、ヘルニアの大きさ、入り込んでいる臓器の種類などによって様々です。

無症状の場合もありますが、呼吸が浅く苦しそうだったり、元気がなくあまり動かないなどの循環呼吸器系の症状がでる場合や、食欲不振、嘔吐、下痢などの消化器系の症状がでる事もあります。

今回ご紹介させていただくのは

5才の日本猫の女の子です

 他院にて横隔膜ヘルニアの診断を受けたそうですが、手術に踏み切らず様子をみられていました。しかし今後の事も考え当院で手術を行う事となりました。

こちらが手術前のレントゲンです。

 

胸部の部分が広範囲に白く陰っている事がわかります。

開腹してみると、本来ならばお腹の中にあるべき、肝臓や脂肪組織などが心臓、肺がおさまっている胸腔の空間に入り込んでしまっていました。

こちらが術後のレントゲンです。

胸腔に入り込んでしまっていたものが正常な位置にもどり横隔膜も整復しましたので、胸の中には心臓・肺のみになり、呼吸がしっかりとできるようになりました。 

術後は順調に回復し、元気に退院していきました。

ねこちゃんは転落事故や交通事故にあった場合、外見上でわかる怪我や骨折などがない時でも横隔膜ヘルニアのような内部の異変がある場合があります。念のため診察を受けましょう。

名古屋市 昭和区 動物病院 

動物レーザーセンター