乳腺腫瘍摘出(高悪性度乳腺癌)(日帰り手術)
今回ご紹介させていただくのは、10才の日本猫の女の子です。
1ヶ月ほど前にお乳にビー玉ほどのしこりがある事に気づいたとご来院されました。
診察させていただくと、左側の乳腺にしこりができてしまっていました。レントゲンの結果、今のところ肺転移もなく、血液検査も問題なさそうでした。
しかし腫瘍は赤みもあり、少しずつ大きくなっている様子で今にも表面がはじけそうになっていました。猫ちゃんの乳腺腫瘍は小さくても全体の8割ほどが悪性と言われています。今回は飼い主様と相談の上左側の乳腺片側全摘出を行いリンパ節も同時に摘出し病理検査に出すことになりました。
乳腺の上から下まで大きく切除する手術でしたが、レーザーを用い手術時間も短時間ですみ今回も無事日帰りで手術を終える事ができました。
術後は経過も良好で、食欲もしっかりあります。
病理検査の結果は、すでに腫瘍は壊死をおこしており高悪性度の乳腺癌で、残念なことにすでにリンパ節転移をおこしていました。
リンパ節転移をおこしてしまっていると遠隔転移といって肺や胸膜に転移してしまう可能性があるので、補助治療を行いつつ、注意深い経過観察が必要となります。
今回のようにお乳にしこりを見つけたら小さくても早めに受診していただけるとよいと思います。
これからも元気に長生きしていただければと思います。