会陰ヘルニア整復・結腸固定・去勢・肛門周囲腫瘤・尿道切開手術
今回ご紹介させていただくのは12歳のコーギーの男の子です。
以前、眼瞼の扁平上皮癌の手術を実施した患者さんです。便が最近だしずらく、尿がぽたぽたとでる気がするとのことでした。
今回は両側会陰ヘルニアの整復手術、去勢手術、肛門周囲腫瘤切除、尿道結石による尿道切開を一度に実施しました。
まずは会陰ヘルニアの手術ですが、会陰部切開を行いヘルニア孔の状況に応じ医療用メッシュを埋め込む処置をして整復します。
今回は結腸固定といって、腸を腹壁に固定する事で脱腸予防策と併用しました。
続いて肛門周囲の腫瘤を2カ所摘出しました。この場所に腫瘍が発生する事は、特に未去勢の雄が割と多くみられますがデリケートな場所であるため慎重にレーザーで切除しました。
これまで大きな出血もなく手術は無事終わりましたが最後の難関は尿道切開です。陰茎部分に結石が詰まりカテーテル等の用手にて解除できないため切開にて結石を取り除きました。結石はシュウ酸カルシュウム結石でした。
長時間の手術になりましたが、無事におわり飼い主様もほっとされていました。
術後、狭窄を生じる可能性があるためしばらく尿道カテーテルは留置して経過をみます。
いくつもの手術を乗り越えて今では元気も力も取り戻してくれました。
今後も経過をみていきたいです。