子宮蓄膿症手術
今回ご紹介させていただくのは、12歳のミニチュアシュナウザーの女の子です。
このわんちゃんは3年前にも当院でレーザーによる体表腫瘤切除の手術をうけられた子です。
3日前より元気・食欲がなく嘔吐もあり、尿が赤茶で息も荒いということで
来院されました。1カ月前に生理があったとのことでした。病院に来たときはぐったりして動けない状態でした。飼い主様も何でも食べるこの子が食欲がないのはおかしいし元気がまったくないと、とても心配されていらっしゃいました。
診察させていただき血液検査を行うと、白血球の値と炎症を示す値が高くなっていました。さらに超音波検査血液やレントゲン検査により子宮に膿が溜まっている子宮蓄膿症であることがわかりました。
静脈から点滴を入れて抗生剤を投与し全身状態を整えてから、麻酔のリスクはありましたが、この病気は子宮を摘出する必要があったため手術を行いました。
弱っている時での手術でしたので、飼い主様も手術をとても心配していらっしゃる様子でしたが、手術が無事に終了したことをお伝えするととてもほっとされていらっしゃるようでした。
レーザーによる手術により、出血・腫れ・痛みを最小限に抑え、手術時間も短く終えることができました。
おとなしい性格のわんちゃんなのですが、手術の次の日には缶詰を少し食べてくれ、飼い主様が面会にいらっしゃると自分でたちあがり、しっぽをふっていました。
数日点滴、抗生剤治療に通っていただくと白血球の値も下がりオーナー様も安心されたようでした。
子宮蓄膿症は避妊手術をしていないシニアのわんちゃんに多い病気なので、いつもと違う様子が見られたら早目の受診をおすすめいたします。