肛門嚢腺癌摘出手術(日帰り手術)
今回ご紹介させていただくのは、20歳の日本猫の女の子です。
かかりつけの獣医さんで肛門腺に2センチ大の腫瘍ができていると言われたとのことでご来院されました。当院で検査をしてみると、肛門の部分に2.5cmにまで大きくなったしこりがあり、肛門自体をわきに押しやる形に存在していました。肛門から指を入れて検査しようとしましたが、指も入らないぐらいに奥に向かって大きくなっており、このままだと排便できない状況になると予想されました。
幸い、ほかの血液検査やレントゲン検査では大きな異常がなかったため、20歳と高年齢でしたが手術を行うことになりました。
かなりの高齢ということもあり、慎重に麻酔の管理をしながら炭酸ガスレーザーで日帰りで切除手術を行いました。
術中も安定していて、無事にしこりを取りきることができました。
術後は順調で排便や排尿もでき、ご飯も手術前よりよく食べるとのことです。
病理検査の結果では、悪性の肛門嚢腺癌であり、今後の転移などには注意が必要です。
20歳を超えているので、このまま無事に再発や転移がなく寿命を全うしてくれることを祈ります。