膣腫瘤切除手術、卵巣子宮摘出手術、膀胱結石、歯石取り、抜歯(日帰り)
今回ご紹介させていただくのは、12歳のポメラニアンの女の子です。市外よりご来院されました。
外陰部から膣のポリープが飛び出してきていたため、他院にて毎回押し戻して対処してもらっていました。自宅でもご家族が戻していましたが、何度やっても出てきてしまい自分でも舐めて気にしているどうにかできないかと当院に相談にきました。
身体検査では、陰部から有茎の卵状のできものが飛び出してきており、触診をしてみると膣の奥の方から発生して外に出てきているようでした。
さらに、膀胱結石も発見されており、複数の結石があるため、血尿の症状を呈していました。
今回の悩みは膣の腫瘤ですので、それを外科的に摘出することになりました。基本的に子宮や膣の病変は、避妊手術をしていないため起こることが多く、今回も術前検査で子宮にも液体がたまっているのが明らかになりました。
飼い主様と相談の上、今回一度に卵巣子宮摘出と膀胱結石摘出、そして膣の腫瘤の切除を行うことになりました。さらに重度歯周病もありましたのでご希望により、歯石取りもすることになりました。
手術は、すべて炭酸ガスレーザーで行い、出血や腫れも少なくスムーズに行えたため、無事に日帰りで帰ることができました。
このような、高齢で複数の手術でも炭酸ガスレーザーを使うことで、負担が少なく、麻酔からの覚醒も速やかで、その日のうちにおうちに帰ることができることが多いです。この子もご家族の方がお迎えに見えると、しっぽを振って飼い主様のもとへ駆け寄りました。その姿に飼い主様もほっとしておられました。次の日より食欲もありなによりです。
これからは違和感なく快適に過ごしていただきたいものです。
こちらが切除した膣腫瘤です。
こちらが膀胱の中にあった7個の膀胱結石です。